米国の法執行機関が先日、韓国企業の従業員を大規模に拘束し、韓米が二国間貿易交渉の食い違いを解消しようとした際、この事件は両国関係をさらに損なう恐れがある。
韓国は迅速に対応に乗り出し、拘束された人を引き取り、米国側との協議を完了するほか、米国へのビザ制度を改善し、再発防止を約束した。
AP通信は外交筋の話として、趙顕(チョ・ヒョン)外相が月曜日(9月8日)に米国に出発する予定で、米国側高官と会談し、拘束された韓国国民の釈放に向けた行政手続きを検討し、同様の事件の再発防止に向けた韓米協力を要請すると報じた。
姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長は日曜日(7日)、ソウルでの高級党政協会議で、韓国国民300人余りが米国移民部門に拘束されたことについて、「まだ行政手続きが残っている。この手続きが終わればチャーター機が出発し、私たちの公民を引き取る」と述べ、旅外国民の安全な帰韓を保障するため、政府は警戒を緩めず、責任ある態度で対応すると指摘した。
姜勲植氏も、政府は関連企業と協力し、米国への投資プロジェクト担当者のビザ取得メカニズムを審査し、整備し、類似事件の再発を防止すると述べた。同氏は、「政府は拘束された公民が迅速に釈放されるように、必要なすべての措置を効果的に実施することを確保するとともに、投資プロジェクトの安定的な実行を確保する」と強調した。
米大規模な突撃法執行で合法的な身分のない韓国企業従業員475人逮捕
米国時間の木曜日(4日)、米移民・税関法執行局や国土安全調査所などの法執行機関は、ジョージア州の建設工場と関連請負業者に対して突撃法執行行動を展開し、合法的な身分のない従業員475人を逮捕した。この工場は現代自動車グループとLG新エネルギーが合弁した電気自動車の電池工場です。
これは米国土安全保障省がこれまで単一の場所に対して展開してきた最大規模の法執行行動であり、当局は行動前に数カ月間調査していた。米当局者によると、逮捕された475人は不法入国、就労許可なしビザなし入国、ビザを持っているが期限切れの滞在など、米国に不法滞在していた。
韓国外交部によると、LG新エネルギーや協力企業の従業員のうち、300人以上の韓国人が今回の襲撃で拘束され、現代自動車は従業員が逮捕されていないことが確認された。
ニューヨーク・タイムズ紙は、建設請負業者に雇われた労働者や、ビザを持っていたり、ビザ免除計画を通じて出張したりして、新工場建設に技術指導をしていたLGの従業員数十人が逮捕されたと関係者を引用して報じた。
韓国側：今回の事件が韓米サミットの勢いに影響を与えないように
この事件は韓国政府の関心を集めている。李在明(イ・ジェミョン)大統領は土曜日(6日)、米国側の法執行過程は韓国国民の正当な権益や米韓企業での経済活動を侵害してはならないと強調した。彼は駐米大使館と駐アトランタ総領事館に全力で迅速に問題を解決するよう指示した。
外交部の朴潤柱(パク・ユンジュ)第1次官は同日、政治担当のフック米国務副長官と電話で会談し、この事件に遺憾の意を表明した。特に米国側は、韓国人労働者が手錠、足かせ、腰鎖をつけてバスに乗せられた写真や動画を公開した。
朴氏は、今回の事件は「正念場」に起きており、韓米首脳が初のサミットで築いた信頼と協力の勢いが阻害されないようにしなければならないと述べた。彼はフックに公平かつ迅速にこの件を解決するよう要求した。
分析：米の製造業発展と不法移民対策の潜在的矛盾を浮き彫りにする
BBCは、この突撃法執行はトランプ氏の本土製造業の発展と不法移民への打撃という2つの優先政策の間に潜在的な矛盾を引き起こす可能性があると分析している。ジョージア州のケンプ知事は、テキサスを米国の電気自動車の都にすることを求めている。姜氏は、韓国は依然として関連工場の建設工事に力を入れなければならないと述べた。
今回の事件は、米国と韓国という重要な同盟国との関係にも圧力をかける可能性がある。韓米が以前貿易協定に合意したことで、韓国は米国の主要投資家になった。合意によると、韓国は3500億ドル(約4498億新元)を提供し、韓国企業の米国市場進出に協力する。韓国の民間企業も米国に1500億ドルを直接投資する。
日曜日の早い時期、韓国与党の一部議員は共同声明を発表し、拘束された韓国国民に対する米政府の適切な対応を促した。彼らは、米国が本気で韓国企業の投資を勝ち取ろうとするなら、韓国国民を大規模に拘束するべきではないと主張している。
